「定形外かぞく(家族のダイバーシティ)」は、「ふつうの家族」像に縛られるのをやめて、いろんな形の家族をアリの世の中にしましょう、という団体、あるいは活動です。
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家族には、いろんな形があります。現在、ひとり親世帯は全国に約145万世帯(平成23年度「全国母子世帯等調査」)あり、再婚家庭も増えています。ほかにも里親・養親家庭や同性カップルで子育てをする世帯などなど、多様な形態の家族が存在しています。
しかし、世間では一般に「ふつうの家族」=「お父さん、お母さん、血のつながった子ども」というイメージが強く、それ以外の形の家族の存在は無視されたり、偏見の目で見られたり、肩身の狭い思いをしがちです。そのため、当事者たちは「ふつうの家族」を装わざるを得ず、ストレスを感じていることが少なくありません。
このような状況を変えるため、多様な家族のあり方、多様な人間を受け容れる世の中になるよう、働きかけを行っていきます。
定形外かぞく 代表・大塚玲子(ライター)
仕事柄(編集・ライター)、ひとり親家庭、再婚家庭、LGBT家庭、里親家庭など、さまざまな形の家族の方たちにお話をうかがってきたのですが、だんだんと、もどかしくてたまらなくなりました。
みんな「世間の目」「多様性を受け容れない社会」という共通の課題を抱えているのに、ばらばらに小さな取り組みをしているか、あるいは、ほかに課題がたくさんありすぎて手が回らず、取り組めないでいるのです。
そこで最もわりを食うのは、子どもたちでしょう。たとえば、親や周囲から自分の出自を隠されて傷ついたり、そのために自己評価を下げてしまったり。周囲から「かわいそうな子」と決め付けられて、いやな思いをする、等々。(※「かわいそう」であることと、助けが必要であることは、べつの話です)
みんなが協力しあえば、この問題への取り組みをもっと進められるのではないか。互いの知恵を生かし、ともに活動を行えれば、個々の団体で取り組むより成果をあげられるのではないか。そんな思いから、この活動を始めました。
なお、「定形外かぞく」と言ってはいますが、家族だけを問題にしたいわけではありません。「おひとりさま」や、児童養護施設など、家族とは呼ばないかもしれませんが、いわゆる「ふつうの家族」ではないために肩身の狭い思いをしたり、偏見の目で見られたりするのは、「定形外かぞく」と共通です。
要は、多様な各々が、あるがままに、いられるようにするための活動の一端、ということです。